トオイメとFluxus
ずいぶん昔から万物流転のひとつでしかなく/しかたなく/しかなくて/しかたなく/流れに流されているのはどうやら自分ではなく/では私とは誰のことか/トオイメの先が、美しさを増して、混濁し、輝いている/すっかりこの世界は変わったと言う/世界が元に戻ることを当然のように信じる/何を信じての何が/すっかり覆い隠される/何も信じることなく信じるように完成する/民よ、言葉ではなく、その確からしさの言葉の背後に潜む破壊力を侮ってはならない/見えるものだけを見てはならない/これはどっちでもない/これはどっちでもない/はじめからずっと耳をすませている/むやみに言葉が話されている日にはどうか気をつけて/あらゆる隙間を駆け抜ける風の音に耳をすませて/流転のほんの僅かな刹那が隙間風になってどことなくあなたに近さを告げる/そのときがきたら/トオイメの先が美しさを増して、混濁し、輝きをはじめる/